五十肩になりやすい人チェックリスト!当てはまる項目が多い人は要注意!予防法も解説

「最近肩が痛い…もしかして五十肩?」と不安を感じていませんか? 40~50代を中心に発症する五十肩は、肩関節周囲炎の俗称で、放置すると日常生活に支障をきたすことも。本記事では、五十肩になりやすい人の特徴を7つの項目で解説し、さらに10項目のセルフチェックリストであなたの五十肩リスクを診断します。髪を洗う、服を着るなどの動作で痛みを感じたり、夜間に肩の痛みで目が覚める方は要注意です。五十肩の原因や症状を理解し、ご自身の状態をチェックすることで、早期発見・早期治療に繋げましょう。さらに、記事後半では肩甲骨ストレッチやチューブを使った筋トレなど、効果的な予防法を動画や画像を交えて分かりやすく解説。五十肩の治療法についても、病院で行う治療から自宅でできる温熱療法・冷却療法まで網羅的にご紹介します。この記事を読めば、五十肩の不安を解消し、健康な肩を維持するための具体的な方法が分かります。

1. 五十肩とは

五十肩は、正式には肩関節周囲炎と呼ばれ、肩関節とその周辺組織に炎症や痛み、運動制限が生じる疾患です。40歳代から50歳代に多く発症することから「五十肩」という通称で広く知られていますが、30代や60代以降に発症することもあります。明確な原因が特定できない場合も多く、一次性凍結肩とも呼ばれます。一方で、外傷や骨折、手術後などに続発するものは二次性凍結肩と呼ばれ、区別されることがあります。五十肩は自然に治癒するケースもありますが、適切なケアを行わないと痛みが慢性化したり、肩関節の可動域が狭まったままになる可能性もあるため、早期の対処と適切な治療が重要です。

1.1 五十肩の症状

五十肩の症状は、大きく分けて疼痛期拘縮期回復期の3つの段階に分けられます。それぞれの時期によって症状の特徴が異なります。

時期症状期間
疼痛期安静時や夜間に強い痛みを感じ、特に肩を動かすと激痛が走る。炎症が強く、肩を動かすことが困難になる。数週間~数ヶ月
拘縮期痛みは軽減するものの、肩関節の動きが制限され、腕が上がらなかったり、背中に手が回らなかったりする。日常生活に支障が出ることも多い。数ヶ月~半年
回復期徐々に肩の痛みや可動域制限が改善していく。自然治癒することもあるが、適切なリハビリテーションを行うことで回復を早めることができる。数ヶ月~数年

これらの時期は必ずしも明確に区別されるわけではなく、症状の進行には個人差があります。また、回復期に入っても再発する可能性もあるため、注意が必要です。

1.2 五十肩の原因

五十肩の明確な原因は解明されていませんが、加齢に伴う肩関節周囲の組織の変性や、肩関節の炎症血行不良などが関与していると考えられています。また、糖尿病や甲状腺機能低下症などの内分泌疾患外傷頸椎疾患ストレスなども誘因となることがあります。肩関節の周囲には、腱板と呼ばれる肩の動きを支える筋肉や腱の集まりや、関節包と呼ばれる肩関節を包む袋状の組織など、様々な組織が存在します。これらの組織が炎症を起こしたり、癒着することで、痛みや運動制限が生じると考えられています。

2. 五十肩になりやすい人の特徴

五十肩は誰にでも起こりうる疾患ですが、特に以下の特徴に当てはまる人は発症リスクが高いと言われています。ご自身の状況と照らし合わせて、予防や早期対応に役立ててください。

2.1 40代~50代の人

五十肩という名前から50代に多いと思われがちですが、40代から発症するケースも少なくありません。40代~50代は、加齢による肩関節周囲の組織の変性が始まりやすい年代であるため、五十肩の発症リスクが高まります。60代以降も発症の可能性はありますが、ピークは40代後半から50代です。

2.2 女性

統計的に見ると、五十肩は女性に多く発症する傾向があります。女性ホルモンの変動が肩関節周囲の組織に影響を与えるという説や、男性に比べて筋肉量が少ないため肩関節が不安定になりやすいという説など、いくつかの要因が考えられています。閉経前後の女性は特に注意が必要です。

2.3 糖尿病などの持病がある人

糖尿病などの持持病があると、五十肩の発症リスクが高まることが知られています。高血糖状態が持続すると、血管や神経が損傷し、肩関節周囲の組織の修復機能が低下するためと考えられています。その他、甲状腺機能低下症などもリスクを高める要因となります。持病をお持ちの方は、日頃から肩のケアを心がけましょう。

2.4 猫背や姿勢が悪い人

猫背や巻き肩などの姿勢が悪い人は、肩甲骨の動きが制限され、肩関節周囲の筋肉や腱に負担がかかりやすくなります。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などで姿勢が悪くなりがちな方は、意識的に姿勢を正すように心がけ、肩甲骨を動かすストレッチなどを定期的に行いましょう。

2.5 肩を酷使する人

野球やバレーボール、テニスなどのスポーツ選手や、重い荷物を運ぶ作業に従事する人など、日常的に肩関節を酷使する人は、肩関節周囲の組織に炎症や損傷が生じやすく、五十肩を発症するリスクが高くなります。適切なウォーミングアップやクールダウン、休息をしっかりとることが重要です。

2.6 運動不足の人

運動不足も五十肩のリスクを高める要因の一つです。運動不足になると、肩関節周囲の筋肉が衰え、肩関節の安定性が低下するため、損傷しやすくなります。適度な運動は、肩関節周囲の筋肉を強化し、柔軟性を高めるため、五十肩の予防に効果的です。ウォーキングや水泳など、無理なく続けられる運動を選びましょう。

2.7 ストレスが多い人

ストレスは自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張を高め、血行不良を引き起こすため、五十肩の発症リスクを高めるとされています。ストレスをため込まないように、リラックスできる時間を作る、趣味を楽しむなど、ストレスマネジメントを心がけましょう。

要因詳細
年齢40代~50代が最も発症しやすい
性別女性に多い
持病糖尿病、甲状腺機能低下症など
姿勢猫背、巻き肩など
生活習慣肩の酷使、運動不足、ストレスなど

3. 五十肩チェックリスト

以下のチェックリストで、五十肩の疑いがあるか確認してみましょう。当てはまる項目が多いほど、五十肩の可能性が高くなります。自己診断ではなく、あくまで目安としてご活用ください。

3.1 日常生活動作で痛みを感じる項目

動作痛み
髪を洗う痛みを感じる
服を着る(特にブラジャーやコートなど)痛みを感じる
後ろに手を回す(背中に手を回す、帯を結ぶなど)痛みを感じる
高いところに手が届かない(棚の上の物を取るなど)痛みを感じる
洗濯物を干す痛みを感じる
ドアノブを回す痛みを感じる
鞄を持つ痛みを感じる

3.2 夜間に痛みを感じる項目

状態痛み
寝ている時に肩が痛くて目が覚める痛みを感じる
寝返りをうつと肩が痛い痛みを感じる
横向きで寝ることができない痛みを感じる
痛みで熟睡できない痛みを感じる

3.3 その他

症状状態
肩のこわばり感じる
肩の痛みで眠りが浅い当てはまる
腕を上げるときに痛みが出る当てはまる
腕を特定の角度にすると痛みが増す当てはまる
肩を動かすとゴリゴリ音がする当てはまる
肩の周りの筋肉が硬くなっている当てはまる
肩に違和感や不快感がある当てはまる

これらの項目に複数当てはまる場合は、五十肩の疑いがあります。 早期に適切なケアを行うことが重要ですので、専門家にご相談ください。

4. 五十肩の予防法

五十肩は放置すると日常生活に支障をきたす可能性があります。日頃から予防を心がけることが大切です。五十肩の予防には、肩甲骨や肩周りの筋肉の柔軟性を高めるストレッチ、適切な筋力トレーニング、そして日常生活での注意点を守る事が重要です。これらの要素をバランス良く行うことで、五十肩になりにくい体を作ることができます。

4.1 ストレッチ

五十肩の予防には、肩甲骨や肩周りの筋肉の柔軟性を高めるストレッチが効果的です。毎日継続して行うことで、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進し、肩の可動域を広げることができます。

4.1.1 肩甲骨を動かすストレッチ

ストレッチ名やり方回数
肩甲骨回し両手を肩に置き、肘で円を描くように大きく前後に回します。左右10回ずつ
肩甲骨寄せ両手を前に伸ばし、手のひらを合わせたまま、肩甲骨を中央に寄せるように意識します。10秒キープ×3回
腕回し両腕を大きく前後に回します。左右10回ずつ

4.1.2 肩周りの筋肉をほぐすストレッチ

ストレッチ名やり方回数
首のストレッチ頭をゆっくり左右に倒し、首の筋肉を伸ばします。左右10秒キープ×3回
肩のストレッチ片腕を胸の前に伸ばし、反対側の手で肘を抱え込み、体に引き寄せます。左右10秒キープ×3回
クロスストレッチ片腕を水平に伸ばし、反対側の手で肘あたりを持ち、体に引き寄せます。左右10秒キープ×3回

4.2 筋トレ

適切な筋力トレーニングは、肩関節の安定性を高め、五十肩の予防に繋がります。無理のない範囲で、適切な負荷と回数で行うことが大切です。

4.2.1 チューブを使ったトレーニング

トレーニング名やり方回数
チューブローイングチューブを足に引っ掛け、両手で持ち、肘を曲げながらチューブを引っ張ります。10回×3セット
チューブ外転チューブを足に引っ掛け、片手で持ち、腕を外側に開きます。左右10回×3セット

4.2.2 ダンベルを使ったトレーニング

トレーニング名やり方回数
ダンベルショルダープレスダンベルを両手に持ち、肩の高さから真上に持ち上げます。10回×3セット
ダンベルラテラルレイズダンベルを両手に持ち、腕を横に上げます。10回×3セット

ダンベルの重さは、無理なく10回程度反復できる重さを選びましょう。フォームを崩さずに、ゆっくりと動作を行うことが重要です。

4.3 日常生活での注意点

日常生活での注意点を守ることも、五十肩の予防に繋がります。正しい姿勢を意識し、適度な運動を行い、十分な睡眠を確保しましょう。

4.3.1 正しい姿勢を保つ

猫背などの悪い姿勢は、肩周りの筋肉に負担をかけ、五十肩のリスクを高めます。日頃から正しい姿勢を意識し、長時間同じ姿勢を続けないようにしましょう。デスクワークをする際は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うと良いでしょう。

4.3.2 適度な運動をする

適度な運動は、肩周りの筋肉を強化し、柔軟性を高める効果があります。ウォーキングや水泳など、無理のない範囲で体を動かす習慣を身につけましょう。激しい運動は逆効果になる場合があるので、注意が必要です。

4.3.3 十分な睡眠をとる

睡眠不足は、筋肉の疲労回復を妨げ、五十肩のリスクを高めます。質の高い睡眠を十分に確保し、体のコンディションを整えましょう。

5. 五十肩の治療法

五十肩の治療は、痛みの軽減、関節可動域の改善、日常生活への復帰を目標に行います。その治療法は様々で、症状の程度や個々の状態に合わせて最適な方法が選択されます。

5.1 保存療法

多くの五十肩は保存療法で改善します。保存療法は手術を必要とせず、自宅や治療院で行うことができる治療法です。

5.1.1 薬物療法

痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や消炎鎮痛剤が使用されます。ロキソニンやボルタレンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、炎症を抑え痛みを軽減する効果があります。また、痛みが強い場合には、神経ブロック注射などの麻酔薬を使用することもあります。

5.1.2 温熱療法

温熱療法は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。ホットパックや蒸しタオルなどを患部に当てて温めることで、痛みを緩和することができます。入浴も効果的です。40度程度のぬるめのお湯に15~20分ほど浸かるのがおすすめです。

5.1.3 冷却療法

急性期で炎症が強い場合は、冷却療法が有効です。氷嚢や保冷剤をタオルに包んで患部に当てて冷やすことで、炎症を抑え、痛みを軽減することができます。ただし、冷やしすぎには注意が必要です。

5.1.4 運動療法

五十肩の治療において、運動療法は非常に重要です。肩関節の可動域を改善し、肩周りの筋肉を強化することで、再発予防にも繋がります。無理のない範囲で、少しずつ動かすことが大切です。具体的な運動療法の種類は以下の通りです。

運動療法の種類内容効果
ストレッチ肩甲骨を動かすストレッチや、肩周りの筋肉を伸ばすストレッチなど、様々な種類があります。タオルを使ったストレッチも効果的です。肩関節の柔軟性を高め、可動域を広げます。
筋力トレーニングチューブやダンベルなどを使ったトレーニングで、肩周りの筋肉を強化します。軽い負荷から始め、徐々に負荷を上げていくことが大切です。肩関節を安定させ、再発を予防します。
可動域訓練棒体操や滑車運動など、肩関節の可動域を広げるための訓練を行います。痛みのない範囲で、ゆっくりと動かすことが大切です。肩関節の可動域を改善し、日常生活動作をスムーズに行えるようにします。

5.1.5 装具療法

肩関節を安静に保ち、痛みを軽減するために、サポーターやスリングなどの装具を使用することがあります。症状や生活スタイルに合わせて適切な装具を選択します。

5.2 その他

上記以外にも、鍼灸治療やマッサージなども、五十肩の症状緩和に効果があるとされています。これらの治療法は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。ただし、これらの治療法の効果には個人差があります。

五十肩の治療は、早期に開始することが重要です。症状が軽いうちから適切な治療を行うことで、早期回復、再発予防に繋がります。肩の痛みや違和感を感じたら、早めに専門家へ相談しましょう。

6. まとめ

この記事では、五十肩になりやすい人の特徴や、日常生活で痛みを感じる時のチェックリスト、そして予防法や治療法について解説しました。40代~50代の方、特に女性は五十肩になりやすい傾向があります。また、糖尿病などの持病、猫背や姿勢の悪さ、肩の酷使、運動不足、ストレスなども五十肩のリスクを高める要因となります。

チェックリストで多くの項目に当てはまる方は、五十肩の可能性があります。早めの対策が重要ですので、整形外科などの医療機関を受診しましょう。五十肩の予防には、肩甲骨や肩周りのストレッチ、チューブやダンベルを使った筋トレが効果的です。日常生活では正しい姿勢を保ち、適度な運動と十分な睡眠を心がけましょう。

五十肩の治療法には、病院での薬物療法、注射、リハビリテーションなどがあります。自宅では温熱療法や冷却療法を行うことができますが、自己判断せず、医師の指示に従うことが大切です。五十肩は早期発見、早期治療が重要です。少しでも違和感を感じたら、医療機関への相談をおすすめします。

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水田 順司整体院 海沙 院長
臨床経験26年。延べ4万人以上の施術実績。
【所有資格】
・理学療法士
・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー