ズキズキ、ガンガン、締め付けられるような…、日常生活を阻害する辛い頭痛。その原因と効果的な改善方法を、この記事で徹底的に解説します。頭痛には、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛といった種類があり、それぞれ原因や症状、適切な対処法が異なります。この記事では、それぞれの頭痛の特徴を分かりやすく説明し、市販薬や処方薬などの薬物療法、睡眠・食事・運動・姿勢といった生活習慣の改善、マッサージやツボ押し、アロマテラピー、温罨法・冷罨法などの具体的な改善策を詳しくご紹介します。また、頭痛を悪化させる要因や日常生活での予防法、緊急性を要する頭痛の見分け方についても解説することで、頭痛に悩まされることなく快適な毎日を送るための知識を網羅的に提供します。もう頭痛で辛い思いをするのは終わりにしましょう。この記事を読めば、自分に合った頭痛対策を見つけ、痛みを和らげ、再発を予防するための具体的な方法が分かります。
1. 頭痛の種類
頭痛には様々な種類がありますが、大きく分けて緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3種類が一般的です。それぞれ原因や症状、対処法が異なるため、自分の頭痛がどのタイプに当てはまるのかを知ることは重要です。
1.1 緊張型頭痛
1.1.1 緊張型頭痛の原因
緊張型頭痛は、肩や首の筋肉の緊張が主な原因です。デスクワークや長時間のスマートフォンの使用、精神的なストレス、うつ病、不安などが筋肉の緊張を引き起こし、血管を圧迫することで頭痛が発生します。また、身体の冷えや猫背などの悪い姿勢も原因となることがあります。
1.1.2 緊張型頭痛の症状
緊張型頭痛の痛みは、頭全体を締め付けられるような鈍い痛みであることが特徴です。痛みの程度は軽度から中等度で、吐き気や嘔吐を伴うことはほとんどありません。また、光や音に過敏になることもあまりありません。「頭重感」や「圧迫感」を感じる人もいます。持続時間は30分から数日と様々です。
1.1.3 緊張型頭痛の改善方法
緊張型頭痛の改善には、肩や首の筋肉の緊張を和らげるのが効果的です。温かいタオルで患部を温めたり、ストレッチや軽い運動で血行を促進しましょう。入浴も効果的です。鎮痛薬の使用も有効ですが、常用は避けましょう。根本的な改善には、日常生活での姿勢の改善やストレス管理が重要です。
1.2 片頭痛
1.2.1 片頭痛の原因
片頭痛の詳しい原因は未だ解明されていませんが、脳内の血管の拡張や炎症が関与していると考えられています。ストレスや疲労、睡眠不足、女性ホルモンの変動、気圧の変化、特定の食品(チョコレート、チーズ、赤ワインなど)などが誘因となることがあります。遺伝的な要因も指摘されています。
1.2.2 片頭痛の症状
片頭痛の痛みは、頭の片側、もしくは両側にズキンズキンと脈打つような痛みです。痛みの程度は中等度から重度で、吐き気や嘔吐、光や音への過敏性を伴うこともあります。日常生活に支障が出るほどの激しい痛みを感じる人もいます。持続時間は4時間から72時間と様々です。前兆として、チクチクとした閃光が見えるなどの視覚症状が現れる場合もあります(閃輝暗点)。
1.2.3 片頭痛の改善方法
片頭痛の改善には、鎮痛薬の使用が有効です。トリプタン系の薬剤は片頭痛に特化した薬で、痛みを抑える効果が高いとされています。また、静かで暗い部屋で休息することも重要です。カフェインの摂取が有効な場合もありますが、過剰摂取は逆効果になる可能性があるので注意が必要です。規則正しい生活を心がけ、誘因となるものを避けるようにしましょう。
1.3 群発頭痛
1.3.1 群発頭痛の原因
群発頭痛の原因は、片頭痛と同様に完全には解明されていません。目の奥の血管の拡張や、脳内の視床下部と呼ばれる部位の異常が関与していると考えられています。飲酒や喫煙が誘因となることがあります。
1.3.2 群発頭痛の症状
群発頭痛は、目の奥やこめかみを中心に、激しい痛みが起こるのが特徴です。痛みの程度は非常に強く、「自殺頭痛」と呼ばれるほどです。片頭痛と同様に、片側の目の充血、涙、鼻水、鼻づまりなどの自律神経症状を伴うことが特徴です。持続時間は15分から3時間程度で、1日に数回起こることがあります。一定期間、集中的に頭痛発作が起こる「群発期」と、頭痛が起こらない「寛解期」を繰り返します。
1.3.3 群発頭痛の改善方法
群発頭痛の痛みは非常に強いため、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。酸素吸入やトリプタン系薬剤の注射などが有効とされています。日常生活では、飲酒や喫煙を控え、規則正しい生活を心がけることが大切です。
種類 | 痛み方 | 症状 | 誘因 |
---|---|---|---|
緊張型頭痛 | 頭全体を締め付けられるような鈍い痛み | 頭重感、圧迫感 | 肩や首の筋肉の緊張、ストレス、冷え、悪い姿勢 |
片頭痛 | ズキンズキンと脈打つような痛み | 吐き気、嘔吐、光や音への過敏性 | ストレス、疲労、睡眠不足、女性ホルモンの変動、気圧の変化、特定の食品 |
群発頭痛 | 目の奥やこめかみを中心とした激しい痛み | 目の充血、涙、鼻水、鼻づまり | 飲酒、喫煙 |
上記は一般的な情報であり、自己診断は危険です。頭痛が気になる場合は、医療機関を受診しましょう。
2. 頭痛の改善方法
頭痛の改善方法は、その種類や原因、痛みの程度によって異なります。自己判断で対処するだけでなく、症状が重い場合や長引く場合は医療機関への相談も検討しましょう。ここでは、一般的な頭痛の改善方法について解説します。
2.1 薬物療法
薬物療法は、痛みを緩和するための有効な手段です。市販薬と処方薬があり、それぞれの特徴を理解して適切に使い分けましょう。
2.1.1 市販薬
市販薬は、ドラッグストアなどで手軽に入手できます。アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウムなどを主成分とする鎮痛薬が一般的です。用法・用量を守って服用することが大切です。また、市販薬で効果がない場合や副作用が気になる場合は、医療機関を受診しましょう。
成分 | 作用 | 注意点 |
---|---|---|
アセトアミノフェン | 解熱鎮痛作用 | 空腹時の服用を避け、過剰摂取に注意 |
イブプロフェン | 解熱鎮痛、抗炎症作用 | 胃腸障害に注意 |
ロキソプロフェンナトリウム | 解熱鎮痛、抗炎症作用 | 胃腸障害に注意 |
2.1.2 処方薬
医療機関では、症状や体質に合わせて適切な薬を処方してもらえます。トリプタン系薬剤、エルゴタミン系薬剤など、市販薬よりも強力な鎮痛薬もあります。医師の指示に従って服用することが重要です。
2.2 生活習慣の改善
生活習慣の乱れは頭痛の大きな原因となります。規則正しい生活を心がけ、頭痛を予防・改善しましょう。
2.2.1 睡眠
睡眠不足は頭痛を誘発する要因の一つです。毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。寝室の環境を整えることも重要です。
2.2.2 食事
栄養バランスの取れた食事を摂ることは、健康維持に不可欠です。偏食を避け、ビタミンやミネラルを豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。また、カフェインの過剰摂取は頭痛を悪化させる可能性があるので注意が必要です。マグネシウム不足も頭痛の要因となるため、マグネシウムを多く含むアーモンドやひじきなどを摂取すると良いでしょう。
2.2.3 運動
適度な運動は、血行促進やストレス軽減に効果的です。ウォーキングやヨガなど、自分に合った運動を習慣的に行いましょう。ただし、激しい運動は頭痛を悪化させる場合があるので、自分の体調に合わせて行うことが重要です。
2.2.4 姿勢
長時間同じ姿勢を続けると、筋肉が緊張し頭痛を引き起こすことがあります。デスクワークをする際は、こまめに休憩を取り、ストレッチなどで体を動かすようにしましょう。正しい姿勢を意識することも大切です。
2.3 その他の改善策
薬物療法や生活習慣の改善以外にも、頭痛を和らげる方法があります。
2.3.1 マッサージ
肩や首、こめかみなどをマッサージすることで、筋肉の緊張をほぐし血行を促進することができます。入浴時や就寝前など、リラックスできる時間に行うのが効果的です。
2.3.2 ツボ押し
頭痛に効果があるとされるツボを刺激することで、痛みを緩和することができます。合谷(ごうこく)や太陽(たいよう)などのツボを優しく押してみましょう。ツボの位置や押し方はインターネットや書籍で調べることができます。
2.3.3 アロマテラピー
ラベンダーやペパーミントなどのアロマオイルは、リラックス効果や鎮痛作用があるとされています。アロマディフューザーやアロマバスなどで使用し、香りでリラックスすることで頭痛を和らげることができます。
2.3.4 温罨法/冷罨法
頭痛の種類によって、温罨法または冷罨法が有効な場合があります。緊張型頭痛の場合は温罨法、片頭痛の場合は冷罨法が効果的とされています。タオルなどを温めたり冷やしたりして、患部に当ててみましょう。
3. 頭痛を悪化させる原因
頭痛は様々な要因によって引き起こされ、悪化します。ここでは、頭痛を悪化させる主な原因について詳しく解説します。これらの原因を理解し、適切な対処をすることで、頭痛の頻度や程度を軽減できる可能性があります。
3.1 ストレス
ストレスは、緊張型頭痛の最も一般的な原因の一つです。精神的な緊張や不安は、肩や首の筋肉の収縮を引き起こし、頭痛につながります。また、ストレスは片頭痛の誘因となることもあります。
3.2 飲酒/喫煙
3.2.1 飲酒
アルコールは血管を拡張させる作用があり、これが頭痛を引き起こすことがあります。特に赤ワインは、血管拡張作用に加えて、ヒスタミンやチラミンなどの頭痛誘発物質を含んでいるため、頭痛を悪化させる可能性があります。二日酔いによる頭痛も、アルコールの脱水作用や血管拡張作用が関係していると考えられています。
3.2.2 喫煙
タバコに含まれるニコチンは血管収縮作用があり、血流を阻害することで頭痛を引き起こしたり悪化させたりする可能性があります。また、喫煙は酸素供給を減少させ、これも頭痛の悪化要因となります。
3.3 脱水
体内の水分が不足すると、血液の濃度が上がり、脳への酸素供給が減少します。これが頭痛を引き起こす原因となることがあります。特に、激しい運動後や暑い時期には、こまめな水分補給を心がけましょう。
3.4 気圧の変化
気圧の急激な変化は、体内の圧力バランスを崩し、頭痛を引き起こすことがあります。台風や低気圧の接近時、飛行機の離着陸時などに頭痛を感じやすい方は、気圧の変化に注意が必要です。天気予報などを活用し、気圧の変化を事前に把握することで、対策を講じることができます。
3.5 寝不足
睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、頭痛を引き起こすことがあります。質の高い睡眠を十分に取ることは、頭痛予防に非常に重要です。
3.6 目の疲れ
長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用などによる目の疲れは、緊張型頭痛の原因となることがあります。目の周りの筋肉が緊張することで、頭痛につながると考えられています。定期的に休憩を取り、目を休ませるようにしましょう。
3.7 カフェインの過剰摂取/離脱
3.7.1 カフェインの過剰摂取
カフェインは血管収縮作用があり、適度な摂取は頭痛を和らげる効果がありますが、過剰に摂取すると逆に頭痛を引き起こすことがあります。また、カフェインへの耐性ができると、より多くのカフェインを必要とするようになり、悪循環に陥る可能性があります。
3.7.2 カフェイン離脱
日常的にカフェインを摂取している人が急にカフェインを断つと、離脱症状として頭痛が現れることがあります。これは、カフェインの血管収縮作用がなくなることで血管が拡張し、頭痛を引き起こすと考えられています。カフェインを減らす場合は、徐々に摂取量を減らしていくことが重要です。
3.8 特定の食品/食品添加物
特定の食品や食品添加物が頭痛の誘因となることがあります。代表的なものとしては、チョコレート、チーズ、加工肉、人工甘味料などが挙げられます。これらの食品には、チラミン、ヒスタミン、亜硝酸塩などの血管拡張作用を持つ物質が含まれており、頭痛を引き起こす可能性があります。頭痛を頻繁に経験する場合は、食事日記をつけるなどして、自分の頭痛の誘因となる食品を特定してみるのも良いでしょう。
3.9 姿勢の悪さ
猫背などの悪い姿勢は、首や肩の筋肉に負担をかけ、緊張型頭痛の原因となることがあります。正しい姿勢を意識し、長時間同じ姿勢を続けないようにしましょう。
3.10 歯ぎしり/顎関節症
歯ぎしりや顎関節症は、顎の筋肉に負担をかけ、頭痛を引き起こすことがあります。マウスピースの使用や顎関節症の治療によって、頭痛が改善される場合もあります。
3.11 天候の変化
気温や湿度の変化、気圧の変動などは、自律神経のバランスを崩し、頭痛を引き起こすことがあります。特に、梅雨の時期や季節の変わり目は、頭痛が起こりやすい時期です。
要因 | 詳細 | 対策 |
---|---|---|
強い光 | 太陽光や蛍光灯などの強い光は、片頭痛の誘因となることがあります。 | サングラスをかける、光の刺激を避ける |
強い匂い | 香水やタバコの煙、ガソリンの匂いなど、強い匂いは片頭痛の誘因となることがあります。 | 匂いの強い場所を避ける、換気を良くする |
騒音 | 工事の音や大きな音楽など、騒音は片頭痛の誘因となることがあります。 | 静かな場所に移動する、耳栓をする |
これらの要因を理解し、日常生活で適切な対策を講じることで、頭痛を悪化させるリスクを減らし、快適な生活を送る助けとなるでしょう。
4. 日常生活での頭痛予防
頭痛を経験したことがある方は多いのではないでしょうか。つらい頭痛を未然に防ぐためには、日常生活での予防が重要です。ここでは、頭痛予防に効果的な生活習慣をご紹介します。
4.1 適度な運動
適度な運動は、血行促進効果があり、緊張型頭痛の予防に繋がります。ウォーキングや軽いジョギングなど、無理なく続けられる運動を習慣化しましょう。週に3回程度、30分以上の運動を目安に行うと良いでしょう。
4.1.1 運動の種類
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- ヨガ
- ストレッチ
4.1.2 運動時の注意点
- 急に激しい運動を始めない
- 自分の体力に合った運動を選ぶ
- 水分補給をこまめに行う
- 痛みを感じたらすぐに中止する
4.2 バランスの取れた食事
栄養バランスの取れた食事は、健康な身体を維持するために不可欠です。マグネシウムやビタミンB2、鉄分などは、頭痛予防に効果的と言われています。これらの栄養素を積極的に摂り入れましょう。
4.2.1 頭痛予防に効果的な栄養素と食材
栄養素 | 食材 |
---|---|
マグネシウム | ひじき、アーモンド、ほうれん草 |
ビタミンB2 | レバー、うなぎ、納豆 |
鉄分 | レバー、小松菜、ひじき |
また、食品添加物やアルコール、カフェインの過剰摂取は頭痛の誘因となる場合があるので、注意が必要です。
4.3 質の高い睡眠
睡眠不足は、頭痛の大きな原因の一つです。毎日同じ時間に寝起きし、睡眠時間を7時間程度確保するように心がけましょう。寝る前のカフェイン摂取やスマホの利用は避け、リラックスして眠りにつくことが大切です。
4.3.1 質の高い睡眠のための工夫
- 寝る前にぬるめのお風呂に入る
- アロマを焚く
- 寝室を暗く静かにする
- 快適な寝具を使う
4.4 ストレス管理
ストレスは、緊張型頭痛の主な原因です。趣味の時間やリラックスできる活動を取り入れるなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。また、瞑想や深呼吸なども効果的です。
4.4.1 ストレス解消法の例
- 読書
- 音楽鑑賞
- 映画鑑賞
- 散歩
- 旅行
4.5 目の疲れ対策
目の疲れは、頭痛を引き起こすことがあります。パソコンやスマートフォンの使用時には、1時間ごとに休憩を取り、遠くの景色を見るなどして目を休ませましょう。適切な照明環境も大切です。画面の明るさを調整したり、ブルーライトカットメガネを使用するのも効果的です。
これらの日常生活の改善を心がけることで、頭痛を予防し、快適な毎日を送る助けとなるでしょう。ただし、症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出るほどの頭痛の場合は、医療機関への相談も検討してください。
5. 病院に行くべき頭痛
頭痛はよくある症状ですが、中には緊急の医療処置が必要な危険な頭痛も存在します。自己判断せずに、以下の症状が現れた場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
5.1 命に関わる危険な頭痛
以下の症状を伴う頭痛は、くも膜下出血や脳腫瘍などの深刻な病気が隠れている可能性があります。一刻を争う事態となるケースもあるので、迷わず救急車を呼びましょう。
5.1.1 突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)
今まで経験したことのないような、突然の激しい痛みに襲われた場合は要注意です。特に、「頭をハンマーで殴られたような」と表現されるような激しい痛みは、くも膜下出血の典型的な症状です。
5.1.2 意識障害を伴う頭痛
頭痛とともに、意識がもうろうとしたり、呼びかけへの反応が鈍くなったりする場合は、脳に重大な異常が起こっている可能性があります。すぐに救急車を呼びましょう。
5.1.3 手足のしびれや麻痺を伴う頭痛
頭痛とともに、手足がしびれたり、力が入らなくなったりする場合は、脳卒中の前兆である可能性があります。迅速な対応が重要です。
5.1.4 言葉が出にくい、ろれつが回らないなどの症状を伴う頭痛
言葉が出にくくなったり、ろれつが回らなくなったりする、といった症状は、脳の機能に障害が生じているサインです。頭痛とともにこれらの症状が現れた場合は、緊急の医療処置が必要です。
5.1.5 けいれんを伴う頭痛
頭痛とともに、体が硬直したり、痙攣したりする場合は、脳に異常が起こっている可能性があります。早急に医療機関を受診しましょう。
5.1.6 高熱を伴う頭痛
38度以上の高熱を伴う頭痛は、髄膜炎などの感染症が原因である可能性があります。特に、首の後ろが硬くなる、光がまぶしくて仕方がないといった症状を伴う場合は要注意です。
5.1.7 視力障害を伴う頭痛
頭痛とともに、ものが二重に見えたり、視野が狭くなったりする場合は、脳腫瘍や脳卒中などの可能性があります。すぐに眼科または脳神経外科を受診しましょう。
5.2 慢性的な頭痛が悪化した場合
普段から頭痛持ちの方も、以下の症状が現れた場合は、早めに医療機関に相談しましょう。
5.2.1 いつもと違う頭痛
慢性的に頭痛がある場合でも、痛みの種類や程度がいつもと違う場合は注意が必要です。痛みの場所、持続時間、痛みの強さなど、普段と異なる点があれば医師に伝えましょう。
5.2.2 持続する激しい頭痛
何日も続く激しい頭痛は、重大な疾患のサインである可能性があります。我慢せずに医療機関を受診しましょう。
5.2.3 薬が効かない頭痛
いつも服用している頭痛薬が効かない、または以前より効き目が悪くなったと感じる場合は、医師に相談しましょう。
5.3 その他の受診が必要な頭痛
症状 | 説明 |
---|---|
吐き気や嘔吐を伴う激しい頭痛 | 吐き気や嘔吐を伴う頭痛は、片頭痛や髄膜炎など様々な原因が考えられます。症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。 |
頭をぶつけた後の頭痛 | 頭をぶつけた後に頭痛が続く場合は、脳震盪や頭蓋内出血の可能性があります。特に、意識消失や記憶障害を伴う場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。 |
50歳を過ぎてから初めて経験する頭痛 | 50歳を過ぎてから初めて経験する頭痛は、重大な疾患が隠れている可能性があります。自己判断せずに、医療機関を受診して原因を調べることが重要です。 |
頭痛は様々な原因で起こるため、自己判断は危険です。少しでも不安な場合は、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
6. よくある質問
頭痛に関するよくある質問にお答えします。
6.1 頭痛薬を毎日飲んでも大丈夫?
頭痛薬を毎日飲むことへの不安を抱えている方は少なくありません。市販の頭痛薬の中には、連用により薬物乱用頭痛を引き起こす可能性のあるものがあります。10日間以上連続して服用するのは避け、症状が改善しない場合は医療機関への相談をおすすめします。また、月に10日以上頭痛薬を服用する日が続く場合も、薬物乱用頭痛の可能性があるため、専門家の診察を受けましょう。
6.2 頭痛を予防する食べ物はある?
特定の食べ物がすべての頭痛に効果があるわけではありませんが、マグネシウムを多く含む食品(ひじき、アーモンド、ほうれん草など)は、片頭痛の予防に役立つと言われています。また、ビタミンB2、ビタミンEを含む食品(うなぎ、レバー、ナッツ類など)も、血行促進効果が期待できるため、緊張型頭痛の予防に効果的と言えるでしょう。ただし、食生活だけで頭痛を完全に予防することは難しいため、他の予防策と組み合わせることが重要です。
6.3 頭痛持ちでも飲めるカフェインの量は?
カフェインには血管収縮作用があり、少量であれば頭痛を和らげる効果が期待できます。しかし、過剰摂取は頭痛を悪化させる場合や、カフェイン離脱による頭痛を引き起こす可能性があります。1日にコーヒーカップ2杯程度を目安とし、過剰摂取は避けましょう。また、カフェインへの感受性は個人差があるため、自分の体質に合った量を把握することが大切です。カフェインを含む飲み物を摂取する際は、水分補給も忘れずに行いましょう。
6.4 子供に頭痛薬を飲ませても大丈夫?
子供の頭痛は、大人とは異なる原因や症状を示す場合があります。安易に市販の頭痛薬を飲ませるのではなく、まずは小児科医に相談することをおすすめします。医師の指示に従って適切な薬を服用させましょう。また、子供の頭痛の原因が脱水症状やストレスである場合もあるため、水分補給や休息を促すことも大切です。
6.5 どのタイプの頭痛かを見分ける方法は?
頭痛の種類 | 主な症状 | 痛みの特徴 | その他 |
---|---|---|---|
緊張型頭痛 | 頭全体を締め付けられるような痛み | 鈍痛、圧迫感 | 肩こり、首こりを伴うことが多い |
片頭痛 | 頭の片側、または両側のズキズキとした痛み | 拍動性、吐き気、光過敏を伴う場合も | 前兆として閃輝暗点が生じることがある |
群発頭痛 | 目の奥やこめかみの激しい痛み | 片側のみに起こり、発作的に痛む | 目の充血、涙、鼻水などを伴う |
上記は一般的な症状であり、必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありません。自己判断せず、症状が気になる場合は医療機関を受診しましょう。
6.6 市販薬と処方薬、どちらを選ぶべき?
市販薬は比較的軽度の頭痛に適しています。しかし、市販薬で効果がない場合や、頻繁に頭痛が起こる場合は、医療機関を受診し、処方薬を検討しましょう。処方薬は市販薬よりも強力な効果が期待できますが、副作用のリスクもあるため、医師の指示に従って服用することが重要です。
6.7 頭痛が起きた時の応急処置は?
頭痛が起きた時は、まず安静にすることが大切です。静かで暗い部屋で横になり、リラックスしましょう。こめかみなどを冷やすのも効果的です。ただし、冷やしすぎには注意しましょう。これらの応急処置でも改善しない場合は、医療機関を受診してください。
7. まとめ
この記事では、日常生活で悩まされる頭痛の原因と効果的な改善方法について解説しました。頭痛には大きく分けて緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3種類があり、それぞれ原因や症状、適切な対処法が異なります。緊張型頭痛は、精神的なストレスや長時間のパソコン作業などによる筋肉の緊張が原因で起こりやすく、マッサージやストレッチなどの物理的なケアが有効です。片頭痛は、血管の拡張が原因で起こる拍動性の痛みで、市販の鎮痛薬やトリプタン系の薬が効果的です。群発頭痛は、目の奥に激しい痛みが集中するのが特徴で、酸素吸入が有効な場合もあります。どのタイプの頭痛も、睡眠不足や食生活の乱れ、ストレスなどが悪化要因となるため、生活習慣の改善は根本的な解決に繋がります。規則正しい生活を送り、バランスの良い食事を摂り、適度な運動を心がけることが大切です。また、目の疲れや肩こりなども頭痛の引き金となるため、こまめな休憩やストレッチで予防に努めましょう。市販薬で改善しない場合や、激しい頭痛、急な頭痛、神経症状を伴う頭痛の場合は、当院へご相談ください。
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