「脊柱管狭窄症は手術しかない」と言われても。歩くと足がしびれる本当の理由

少し歩くと、足がしびれて、重だるくなって、立ち止まってしまう。少し腰かけて休むと、また歩けるようになる。その繰り返しのなかで、行きたい場所があっても「あそこまで、歩けるだろうか」と、出かけるのを先にあきらめていませんか。

病院で検査を受けて、「脊柱管が狭くなっていますね。脊柱管狭窄症です。このままだと、手術するしかないかもしれません」と言われた。そう言われると、頭が真っ白になりますよね。今日は、その足のしびれがなぜ出ているのか。そして、「手術しかない」と言われても、その前に見ておきたいことを、できるだけわかりやすくお伝えします。

「狭くなっている」=それだけが原因、とは限りません

脊柱管狭窄症と言われると、「背骨の神経の通り道が狭くなっているのだから、狭いところを広げないかぎり、しびれは良くならない」と思ってしまいますよね。

けれど、画像で脊柱管が狭いと見つかっても、狭くなっていること自体が、しびれのすべての原因とは限らないんです。実際に、画像では同じように狭くなっていても、まったく症状のない方もいらっしゃいます。背骨の形だけを見ていると、見落としてしまうものがある。だから、「狭いと言われたから、もうどうにもならない」と、決めてしまわないでほしいんです。

前かがみだと、楽に歩けるのは、なぜでしょう

脊柱管狭窄症でお悩みの方に、よくうかがう話があります。「スーパーのカートを押していると、楽に歩ける」「自転車なら、どこまでも行ける」「前かがみになると、しびれがやわらぐ」。反対に、「背すじを伸ばして立つと、かえってしびれや痛みが強くなる」。心当たり、ありませんか。

これは、とても大事なサインかもしれません。前かがみになると、背骨の神経の通り道には少しゆとりができて、神経への負担が軽くなります。反対に、腰を反らすと通り道がせまくなり、神経が押されたり引っぱられたりしやすくなる。

つまり、同じ体でも、姿勢によって神経へのあたり方は変わる、ということなんです。狭くなっている構造そのものは画像のとおりでも、そこに「どれだけ負担が集まるか」は、ふだんの姿勢や、体の使い方で変わってくる余地がある。ここが、見ておきたいところなんです。

「手術しかない」と言われても、その前に見ておきたいこと

手術は、狭くなった構造そのものにアプローチする方法で、お医者さんが体の状態を見て判断されることです。そこを否定するつもりは、まったくありません。

ただ、「手術しかない」と言われて来られた方の体を見せていただくと、腰だけでなく、股関節や足首が硬くなっていたり、骨盤が後ろや前に傾いていたりして、神経の通り道によけいな負担が集まっていることが少なくないんです。

本当ならば、歩いたときの衝撃や体重は、足首・膝・股関節・背骨で、みんなで分けて受けてくれるはずなんです。それなのに、下の土台が硬いと、負担が腰に集まってくる。腰の反りがきつくなれば、狭いところの神経は、ますます押されやすくなる。

その、負担のかかり方を整えていくと、楽に歩ける距離が、少しずつのびていく方もいらっしゃいます。「前は10分で座り込んでいたのに、休まずに歩けるようになってきた」という方も。だから、「手術しかない」と、ひとりで抱え込んでしまう前に、今のお体の状態を見て、できることを一緒に考えたいんです。

こんな狭窄症、心当たりはありませんか

  • 少し歩くと足がしびれて立ち止まるけれど、しばらく休むとまた歩ける。
  • 前かがみやカートを押しているときは、楽に歩ける。
  • 背すじを伸ばしたり、腰を反らしたりすると、しびれや痛みが強くなる。

出方はそれぞれですが、どれかに心当たりがあれば、神経への負担が「姿勢で変わっている」サインかもしれません。狭いと言われた場所だけでなく、それ以外のどこに負担が集まっているのか、その土台から見直してみるといいかもしれません。

その一歩を、あきらめないでほしい

当院に、「このまま歩けなくなるんじゃないか」という不安を抱えて来られた方がいらっしゃいました。少し歩くと体を支えるのがつらくて、脂汗をかきながら、それでもがんばっておられた。

その方には、どうしても行きたい場所があったんです。長男さんの結婚式で、和装をして、お客様の席にごあいさつに回りたい。大好きな球場へ、また足を運びたい。体の土台から整えていくなかで、少しずつ、歩くことへの不安がやわらいできたと話してくださいました(個人の感想です。効果には個人差があります)。

私が大切にしているのは、しびれを和らげることだけではありません。それ以上に、行きたい場所へ、自分の足で歩いていけること。あきらめていたことに、もう一度、手をのばせること。そこまで、いっしょに目指していきたいんです。

その足のしびれが、どこから来ているのか。手術を考える前に、まずは今のお体の状態を見て、お伝えします。

よくいただくご質問

Q. 脊柱管狭窄症は、手術をしないと良くなりませんか。

A. 手術をするかどうかは、お医者さんが状態を見て判断されることです。ただ、手術をすすめられた方でも、腰以外の股関節や足首の硬さ、骨盤の傾きなど、神経に負担が集まっている場所を整えることで、楽に歩ける距離がのびていく方もいらっしゃいます。まずは今の状態を一緒に確認するところから始めませんか。

Q. 前かがみだと歩けるのは、どうしてですか。

A. 前かがみになると、背骨の神経の通り道に少しゆとりができて、神経への負担が軽くなるためと考えられています。反対に、腰を反らすと負担が増えやすくなります。姿勢で変わるということは、ふだんの体の使い方を見直すことで、楽になっていく余地があるということでもあります。

その足のしびれが、どこから来ているのか。原因と海沙の施術について、専門のページでくわしくお伝えしています。

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